才能を活かした
大胆なデザインと繊細な加工で、
独創的なジュエリー作りを行う
コーディネーター&クラフトマン
加藤友香 Yuka Kato
Craftsman, Design drawing Grand Prix
クラフトマン/ジュエリーコーディネーター/イラストスペシャリスト
才能を活かした
大胆なデザインと繊細な加工で、
独創的なジュエリー作りを行う
コーディネーター&クラフトマン
ジュエリーコーディネーター:(一社)日本ジュエリー協会
ジュエリー・アクセサリーデザイン画コンテストグランプリ:2013 NPO法人宝飾クラフト教育振興会
愛知県名古屋市で自営業の両親のもと、三人兄妹の長女として生まれる。男の子に混じってマンガを読んだり、ゲームをしたりするのが好きな女の子として育つ。高校を卒業後、広告関連の印刷会社に就職。紙媒体のデザイナーとして3年間勤務し、ものづくりへの思いを芽生えさせる。
退職後、資金を蓄えて宝飾専門学校に入学。ジュエリーについて学び、2013年、「第8回全国ジュエリー・アクセサリーデザイン画コンテスト」にてグランプリを受賞。同年、「パールデザインコンテスト入選」、「日本宝飾クラフト学院卒業製作展優秀賞」など、優秀な若手デザイナー、クラフトマンとして頭角をあらわす。
私のジュエリーとの出会いは、気軽に身につけられるアクセサリーからでした。でも、それは社会人になってからのことです。高校時代からイラストを書いたり、何かを作ったりする仕事に興味があったため、卒業後は広告デザイナーとして地元で就職しました。心をこめて一生懸命デザインする毎日を過ごしましたが、広告は見終わったり、期間が過ぎてしまえばすぐに捨てられてしまいます。また、伝える力は強いのですが、ボタンを押せばいくつも同じものが印刷できてしまうものです。色々な想いで作ったものをもっと大切にしてもらえる仕事がしたいと思い、理想とする『ものづくり』とは何だろうと考えはじめました。
そんな頃、目に留まるようになったのは、身につけていたアクセサリーです。お気に入りのアクセサリーはいつでも人のそばに寄り添います。値段にかかわらず大切にされ、どこに行ったかわからなくなると不安になるくらい感情を揺さぶるもの。そんな存在が素敵だなと思うようになり、「いつか誰も持っていない、自分の考えたアクセサリーを作って身につけてみたい」という漠然とした夢が生まれているのに気付きました。
私はそれまで、高校は親に勧められた所、就職は興味の範囲で学校の紹介もあって…と、自分の強い意思で人生について決めた事が多くなかったように思います。また、言葉や態度で自分を表現するのが得意なほうではありませんでした。自分で目標を持ち、決意し行動する。簡単そうでも意外に難しいものです。でも一生は一度きり。「やらずに後悔するよりもやって後悔しろ」とどこかで聞いた言葉が頭を巡り、私を動かしてくれました。消耗品のアクセサリーからもう一歩踏み込み、ハイレベルなジュエリー作りを勉強してみたい。時間をかけて大きく、強く育った想いを初めて両親にも説明し、デザイナーとしての蓄えを使って宝飾専門学校に入学しました。決して早いスタートではありませんでしたが、そこで待っていたのは、志を同じくする仲間と出会い、自分の心から勉強したいものに向き合う素晴らしい時間でした。
ジュエリー作りを学ぶ中では、技術だけでなく、「自分の想いを表現する」ということについても考えを深めることができました。デザインや作品は自分を一方的にぶつけるだけでなく、受け止めてくれる方に届く形にすることも大切です。どうしたらもっと伝わる作品になるのか、先生方や友人に相談、模索して、やっとの思いで作り上げたデザイン画のコンテストでは、有り難い事にグランプリを頂くことができました。この時、自分の表現したいものが人に伝わったことに、とても胸が熱くなったのを今でも覚えています。いつの間にか、ジュエリーは私の想いを届けるものになってくれていました。
在学中には光栄な賞を多数受賞することができたのですが、フィロンドールに入った当初は、要求されるレベルの違いと多彩さに打ちのめされました。でも、数少ないオーダーメイドの工房に出会えたことも、仕事に食らいついた先の達成感も、今はとても幸せに感じます。
ジュエリーを贈る時には、言葉では表しきれない色々な想いがあると思います。その想いを形に変え、いつまでも燃えるようにきらめかせるのは、一流のハンドメイドジュエリーにしかできない特別な仕事です。ボタンを押すだけでいくつもできるものや、使い捨ての消耗品とは違い、100年後も200年後も輝き、作った時の想いが感じられるものを作りたい。そして、その片隅に自分の想いも生き続けてくれたら嬉しいです。
世界にたったひとつのジュエリー。私が見つけた「究極のものづくり」に、心をこめて向き合いたいと思います。