Atelier Filondor

お母様の思い出を受け継ぐオパールリングのリフォーム

お母様の思い出を受け継ぐオパールリングのリフォーム

アシスタントアドバイザーの高井です。

先日、代表の杉山から聞いたお客様とのお話が、とても印象に残りました。

遺品整理をきっかけに、お母様が大切に使われていた指輪を受け継ぎたいとご相談いただいたそうです。

お持ち込みいただいたのは、4.64ctの大粒なオパールがセットされたプラチナリングです。

お話を伺うと、お母様が普段からよく身に着けていらっしゃった指輪とのことでした。ただ、デザインは高さもあり、今の装いでは少し使いづらさを感じることもあったそうです。

そこで、お客様から

今でも自然に使えるかたちにしたい

というご希望があり、ご予算は30万円前後でリフォームを進めることになりました。

一般的な立て爪リングなどのリフォームでは、宝石を丁寧に取り外し、元の枠は下取りして新しいジュエリーの制作費用へ充てることが多くあります。

ですが今回は、オパールだけではなく、枠も残したい

というものだったそうです。

ジュエリーを作っていると、どうしても素材やデザイン、加工方法という視点で考えることがあります。もちろんそれは大切なことなのですが、ジュエリーは単なる金属や宝石ではなく、その方の時間や思い出まで一緒に含まれているものなのだと、改めて感じました。

そこで今回は、元のプラチナ枠を溶かして、新しいリングに作り変えるという方法にしました。

石を留める部分と腕部分を一体で製作することが多い中、オパールを支える石座は新しく製作し、腕の部分は、お母様の指輪の素材を溶かし作り変え、組み合わせました。

また、今回のデザインではオパールの見せ方にも工夫しました。

オパールはダイアモンドのように強く輝く宝石とは少し違い、やわらかな遊色効果(プレイ・オブ・カラー)が魅力の石です。そのため周囲の宝石選びで印象が大きく変わります。

今回は、イエローベリルで明るさを添えて、さらにロードライトガーネットで色合いに深みを持たせています。異なる素材のK18の爪で留め、中央のオパールがより美しく引き立つよう工夫しています。斜めにメレダイアモンドをセットしました。

ジュエリーリフォームは、古いものを新しくするだけではないのかもしれません。

思い出や、その方が過ごしてきた時間も一緒に受け継ぎながら、また次の時間へつないでいく。

とても素敵なことだなと感じた出来事でした。