Atelier Filondor

Shizuko Takai

髙井志津子
Shizuko Takai

Jewelry Coordinator
ジュエリーコーディネーター/パールクラフトマン

真珠やストーン関連の加工のほか、
スムーズにジュエリー作りが進む
ための
アシスタント業務を行う。

豊富なご案内経験と朗らかな笑顔で
お客様のご要望を承ります。

資格・経験

ジュエリーコーディネーター:(一社)日本ジュエリー協会

富山県出身。子供の頃からウインタースポーツやソフトボールに打ち込み、東京の短大を卒業後、住宅設備関連企業で営業職として勤務する。結婚・出産で転勤生活に入り退職。7度の引っ越しを経て浜松に落ち着き、子育てをしながらアパレル販売スタッフとして活躍する。
アトリエ・フィロンドールに仲間入り後にジュエリーを勉強し、ジュエリーコーディネーター資格を取得するとともに、真珠やストーン関連を中心に加工の範囲を広げる。趣味は料理、高校野球観戦、週3日汗を流すバレーボール。

ジュエリーを作る?

ジュエリーを作る?

アトリエ・フィロンドールに仲間入りするまで、ジュエリーはお店で選ぶものだと思っていました。『作る』ということは想像したこともなく、身近に宝石工房があることを知って驚いたほどです。もともとジュエリーは好きなほうで、指輪やネックレス、ピアスなどを日頃から身につけてきましたし、プレゼントとして頂いたアクセサリーや母から譲り受けた指輪、婚約指輪・結婚指輪などを大切にしてきたので、「キラキラしたものを扱うお店での仕事は楽しいかな」という、ごく普通の感覚でお仕事を始めました。
最初はアシスタントとして様々な業務の補助を中心に過ごし、専門家の仕事を横目に「すごい世界がある」と思うばかり。いままで身の回りにはいなかったジュエリーデザイナーやクラフトマンの仕事を、別世界の事のように眺める毎日でした。まさか自分がお客様へのご案内をできるようになったり、加工ができるようになるとは想像もしていなかったので、「勉強しよう」という感覚よりも、様々な業務に触れていく中で少しずつ宝石に親しみ、知識が増えていったように思います。

これまでと違う世界に

これまでと違う世界に

ジュエリーは高価なもので、キレイなのが当たり前だから、どこで買っても同じようにしっかりしているものだと思いませんか?私はそう考えていたので、オーダーメイドのお店で指輪を作られるお客様は、皆変わったデザインをお求めなのだろうなと考えていました。ところが、意外に多くのお客様がシンプルなデザインのものをご注文されます。はじめは不思議に思っていたのですが、毎日作品を見て、修理に持ち込まれる色々なお店の品物にも触れていると、少しずつその理由がわかるようになりました。
身の回りにあるのはアトリエで作った一点物のハンドメイドで、それが私の中の品質の基準になります。そうなると、手を抜いて作られた品や、バランスの悪いものがわかるようになってきます。いわゆる『目が肥える』ということですね。今までは同じように見えていたものが『実はそれぞれ違う』とわかると、ぐっと興味をひかれます。アトリエ内のクラフトマン達は、皆ストイックなくらい丁寧に指輪を加工しています。いつも一緒にいると忘れてしまうのですが、誰もが特殊技能を持った、飛び抜けて器用な人達。そんな彼らが真剣に作る『品質の違い』をお求めになる、目の肥えたお客様が多いということがわかりました。
また、私もお客様への最初のご案内や取次をする事がありますが、最初はここにも困惑がありました。フィロンドールに加わる前には住宅設備の営業やアパレル販売のお仕事に携わってきて、以前の職場では全国のスタッフの前で接客の実演をするほど評価していただきました。だからご案内は慣れたものと思っていたのですが、オーダーメイドジュエリーのご案内は本当に深い知識が必要で、言葉がうまく出てこないのです。フィーリングでのお返事や曖昧な回答ができず、すぐに交代してもらうのが日常になっていました。

開いた扉

開いた扉

そんな興味や困惑をきっかけに、スタッフのおすすめもあって日本ジュエリー協会の『ジュエリーコーディネーター』の勉強を始めました。同時にクラフト作業にも少しずつ参加させていただくことで、楽しさにどんどん引き込まれていきました。宝石のことや、加工のこと、机の上の勉強と実際に加工する体験を重ね合わせると、新しい扉が開くように一気に色々なものが流れ込んできます。きっと、販売だけしていたらわからなかったこと、なかなか理解できなかっただろうなと思うことがわかるようになると、喜びで勉強は進み、資格はすぐに取得できました。目の前で実際に品物を作っていて、それを見たり、自分も参加できるってとても貴重です。想像でお客様にご案内するのではなくて、実感や確信をもってお話ができるようになると、楽しさは何倍にもなるのですね。誰かが作ったものを不特定多数の人に販売するのではなく、一人ひとりのお話を聞いて、自分たちで作ってお届けする仕事。その魅力を知って、私もアトリエの一員として、楽しさを伝えたいと思うようになりました。

作ることの意味を

作ることの意味を

恋や結婚、成人や継承など、人の節目にはいつもジュエリーがいてくれます。時間は過ぎていってしまうけれど、その輝きを見るだけで、贈った時や贈られた時の記憶が鮮明によみがえります。箱を開けると思わず微笑んでしまったり、懐かしさがこみ上げてきたり、時にはせつない気持ちになったり。人の気持ちは良くも悪くも変わっていくものですが、初めて箱を開けた時の気持ちを凍結したように形にすることができるのは、ジュエリーに与えられた特権だと思います。
誰かを思って指輪やネックレスを作るって、特別なことです。好みを想像して、身につけた姿を想像して、贈り方や喜んだ顔を想像して…。誰もが気持ちを上手く言葉にできるわけではないから、そんな思いやりの積み重ねを形にして、輝きで表現してくれると思うのです。私もそんな特別な物をプレゼントされたらきっと嬉しいし、そんな贈り物をしたい。だから、もっと多くの方に『ジュエリーを作る』ということを知ってほしいと思います。そしてその貴重な時間をお客様と一緒に過ごせたら幸せです。
「あの人と一緒にジュエリーづくりができて楽しかった。」そんなふうに思っていただけるように、精一杯、心を込めてご案内します。